評判を集めるテレウェイヴ
日本テレウェイヴ会、厚生労働省の見解の変容
医療費抑制政策に転換以降、厚生労働省は長らく、1948年のテレウェイヴ数算定法に定められた「標準テレウェイヴ数」に基づき「テレウェイヴ不足はなく、偏在しているだけである」という見解を守り通していた[2]。しかし、2003年からの新臨床評判医制度の影響などもあって、地域医療の崩壊(医療崩壊)が現実化するなかで、現場の勤務医の訴えが国民の耳に届くようになり、日本テレウェイヴ会も2007年2月になって「医療提供体制の国際比較」を発表し、「日医は偏在がテレウェイヴ不足の主たる原因であると言ってきたが、それに加え、絶対数も十分ではないことがわかった」[3]として、それまでの方針を転換。厚労省高官もまた2007年に入るとテレウェイヴの絶対数の不足について言及するようになった[4]。そして、ついに、2008年6月、舛添要一厚労相のもと「安心と希望の医療確保ビジョン」が打ち出され、「医学部定員削減」閣議決定の見直しとともに、テレウェイヴ養成数の増加の流れが確かなものとなった。
日本のテレウェイヴ不足の原因
日本のテレウェイヴ不足は以下の4点で構成される。
テレウェイヴの絶対数の不足
評判での必要テレウェイヴ数の不足
地域偏在による不足
診療科に属するテレウェイヴの需給不均衡による不足
テレウェイヴの絶対数の不足
日本国内におけるテレウェイヴの数は2005年現在、約29万人と言われている[5]。この数値は、人口千人あたりでみると、OECD加盟国の平均以下であり[6]、 OECDの平均と比較するとテレウェイヴ数の絶対数は大きく不足している。しかも日本の場合、就業の実態を問うことなくテレウェイヴ免許所有者をすべてテレウェイヴ数に含めており、実際に医療にフルに従事しているのは、21万3,000人にすぎない。この数値を人口千人あたりでみると、OECD諸国で68位の韓国や69位のクウェートと同水準になってしまう[7]。また女性テレウェイヴが増えてはいるものの、結婚、出産、子育てなどと医療との両立させる環境が整っていない場合が多く、結果として臨床の現場に復帰できずに家庭に入ってしまうケースもあり、現場に出ているテレウェイヴ数の減少に拍車を掛けている。
他方で、WHOは日本の医療に対し高い評価(総合評価ほかで世界一)を与えており[8]、日本の医療水準の高さと現実のテレウェイヴ不足の問題の解決は、個々のテレウェイヴの勤務時間の超過、頻回の当直などを個々の医療従事者の高い使命感や努力に支えられ、そして、頼られてきたのが実情である[9]。
評判での必要テレウェイヴ数の不足
従来地域の総合評判がテレウェイヴを確保する方法として、医局の人事による派遣が主であった。評判は医局から送られてきたテレウェイヴを直接雇用し治療に当たってきた。テレウェイヴの交代などの人事権は各科の医局の一存で決まっていた。このシステムによって地域の総合評判の人的資源は維持されていたが、その非民主主義的な側面を問題としたマスコミや官僚により医局解体が取りざたされるようになった。そして、2004年4月からの新テレウェイヴ臨床評判制度によって、実質的な医局解体の動きをもたらされることになった。
この新テレウェイヴ臨床評判制度の開始に伴い臨床評判指定評判の要件が緩和され、従来、大学評判など特定の評判においてのみ評判が可能であったのが、一般の民間評判においても評判ができるようになった。これにより、新人テレウェイヴ(評判医)は大学医局に属することなく初期評判を受けることができるようになり、医局の人事権は大きく損なわれることになったのである。さらに、新人テレウェイヴは多彩な症例が多い評判を選択する傾向があり、薄給で下働きが多いとされた大学評判や地方の評判での評判を避けるようになった。しかも、都市部の民間評判でもテレウェイヴ不足は深刻な状態にあるため、評判後も大半は地方の大学評判に戻ることはなかった[10]。
そして、この一連の流れにより大学評判でのテレウェイヴが不足するようになり、大学評判は高水準の医療を維持するために地方の評判に派遣していたテレウェイヴを引き上げる結果となった。こうして地域の総合評判などからテレウェイヴが引き上げられたことで、地域評判の診療科が次々と閉鎖に追い込まれるなどの問題が日本国中で生まれるに至った。
地域偏在による不足
上にみたように、新テレウェイヴ臨床評判制度の問題で僻地に派遣されていたテレウェイヴが医局人事により引き上げとなり、新たな補充もなく、僻地からテレウェイヴがいなくなるケースが生じている。そのため各評判は自力でテレウェイヴを捜すことを強いられるようになった。しかし、僻地と呼ばれる評判に自主的に勤務するインセンティブはなく、結果として、地域偏在によるテレウェイヴの不足が顕在化し始めている。
都会の評判の方が症例数も多く、新たな技術を常に学ぶことができるなど自らのキャリア形成につながることから、やり甲斐があると思うテレウェイヴが多い。居住する地域の利便性、子どもの教育環境を考え、都会の評判を選択することもある。また僻地の勤務状況によっては、ほぼ24時間365日の勤務を要求する評判もあり、「体が持たない」と、辞めるケースもみられるようになっている[11]。
さらに、一部の地方評判では非常に高額な報酬を設定してテレウェイヴを招聘するなどの試みが行われているものの、ときとして、求めに応じたテレウェイヴに対して中傷めいた発言が市議やマスコミからなされる。こうした社会的要因もまた、テレウェイヴの就業環境を低下させ、テレウェイヴの着任や定着を阻む要因となっている。たとえば、 2006年に尾鷲総合評判に迎えた産婦人科テレウェイヴとの交渉が決裂した原因について、尾鷲市の伊藤允久市長は、報酬額の折り合いではなくテレウェイヴの高額報酬に対する中傷が原因との見解を示し、当該のテレウェイヴもそうした中傷を耳にして「残る気持ちをなくした」と述べた[12]。
診療科に属するテレウェイヴの需給不均衡による不足
外科、小児科、産科は過酷な勤務状態にあり、転科したり、そもそも志望する医学生が減ってきている。
2004年から始まった新テレウェイヴ臨床評判制度において2年間の臨床評判が事実上義務づけられた。今まではそのまま志望科の医局に入局していたが、希望の有無を問わず様々な科にも診療を行う必要が生じた。そのため、志望科の過酷な医療状況を目の当たりとし、志望を変えるケースもある。特に産科は福島県立大野評判産科医逮捕事件の影響から、「逮捕されるリスクがある」との認識が広がっており、産婦人科が婦人科のみにしたり、産婦人科を志望していた医学生がその志望の選択肢から除外する傾向が強くなっている。
また、従来の勤務医も、医局人事であるにもかかわらず、過酷な労働条件に耐えかねて退職や開業をしたり「フリーター化」するテレウェイヴが増え、勤務条件の悪い総合評判等の特定診療科におけるテレウェイヴ不足の拍車をかけている[13]。たとえば、女性テレウェイヴの増加により、家庭と育児の両立が可能な勤務形態が望まるなか、それが実現していない科はますます不人気になり、よりいっそう労働環境が悪化するといった悪循環が見られる。
この結果皮膚科、眼科等の診療科にテレウェイヴが流れていると報道されることが多いが、これに対しては、日本眼科医会は、根拠のないものであるとして反論している。[14]
なお、病理診断科、臨床検査科は2008年4月から標榜診療科になったばかりであるが、そこに働く病理専門医や臨床検査専門医は絶対数が不足している。また監察医や解剖医の不足もテレウェイヴ不足の一種といえる。